「保障も貯金も」でしくじった私が、保険を『保障だけ』に絞った話
固定費の見直しで、効果が大きいのに後回しにされがちなのが保険です。金額が大きいわりに、一度入ると中身を見直す機会がほとんどないからです。
私はかつて、外貨建ての貯蓄型保険に入っていました。「保障もついて、貯金にもなりますよ」という説明を、そのまま信じて。あとから中身を調べて解約したのですが、その過程でやった点検の順番を、この記事にまとめます(家計全体の順番は立て直しの順番に書いています)。
なぜ「なんとなく」で保険に入ってしまうのか
私が保険に入ったきっかけは、友達でした。
その友達が保険会社に就職して、担当として私に保険をすすめてくれたんです。悪気なんてまったくありません。友達は仕事として真剣でしたし、私も「応援したいな」という気持ちがありました。
でも、いま振り返ると、問題はまさにそこでした。
- 友達だから、細かいことを突っ込んで聞きづらい
- 「この子がすすめるなら大丈夫だろう」と、中身ではなく人で判断した
- 断ると気まずい気がして、よく分からないまま契約した
そしてもうひとつ、当時の私には「日本では保険に入るのが当たり前」という思い込みがありました。社会人になったら保険くらい入っておくもの——その空気を、疑ったことすらなかったんです。だから私は「入るかどうか」を考えず、「どれに入るか」だけを考えていました。いちばん最初に立ち止まるべきだったのは、「そもそも自分に、この保険は要るのか?」だったのに。
保険は詐欺ではありません。友達も、まっとうな商品を、まっとうにすすめてくれました。それでも「よく分からないまま契約した」という入り口だけは、投資詐欺のときと同じだったんです。相手が敵でも味方でも、"中身を理解しないまま入る"のは同じリスクでした。だから見直しの発想も、詐欺で懲りたときと同じでよかったんです。
私がやった点検:「中身を自分の言葉で説明できるか」
見直しの基準は、たったひとつでした。
自分が入っている保険を、自分の言葉で説明できるか。
「毎月いくら払っていて」「何が起きたら」「いくら受け取れるのか」。これを人に説明するつもりで言葉にしてみる。私はここで詰まりました。外貨建ての貯蓄型保険について、自分が何にいくら払っているのか、うまく説明できなかったんです。
説明できないものに、毎月お金を払い続けている——これが、立ち止まるサインでした。
「保障」と「貯蓄・投資」は混ぜない
私がいちばん反省しているのが、ここです。
貯蓄型保険は、ざっくり言うと「保障」と「お金を積み立てる部分」がセットになった商品です。一見おトクに見えますが、セットになっているぶん、自分が保障にいくら・積み立てにいくら払っているのかが見えにくくなります。私が中身を説明できなかったのも、これが理由でした。
今の私は、こう分けています。
- 保険は「保障」だけにする(掛け捨てで、もしものときに備える)
- 増やすのは別でやる(→ 王道の増やし方に書いた、地味な積立)
分けたほうが、それぞれいくら使っているかが見えます。見えると、判断できます。※これは「貯蓄型保険が悪い」という話ではありません。中身を理解して選んでいるなら、それは立派な選択です。私は理解しないまま入っていたので、いったん切り分けた、というだけです。
必要な保障は、人によってまるで違う
ここが保険のややこしいところで、万人に共通の正解がありません。
独身で誰も養っていない人と、小さな子どもがいる人とでは、備えるべきものがまったく違います。だから「この保険がおすすめ」と一律には言えません。
もうひとつ大事なのが、日本にはもともと公的な保障があること。会社員でも自営業でも健康保険に入っていますし、医療費が高額になったときに自己負担を抑える仕組みや、亡くなったときに残された家族に支給される年金もあります。まずこの土台があることを前提に、足りない分だけを民間の保険で補う——この順番で考えると、必要以上に入りすぎずにすみます(具体的な金額や条件は制度で決まっているので、加入前にご自身のケースで確認してください)。
見直しの手順(引き算で考える)
やることはシンプルです。増やすのではなく、引き算で考えます。
- 今入っている保険を全部書き出す(保険証券を引っぱり出す。保障内容・毎月の保険料をメモ)
- それぞれ「何に備えているか」を一言で書く(書けないものに印)
- 公的な保障とダブっていないかを見る(すでに守られている部分に、二重で払っていないか)
- 説明できないもの・ダブっているものは、相談するか、解約を検討する
一気に全部やらなくて大丈夫です。私も、まず1枚引っぱり出すところから始めました。
相談するなら:その場で決めない
保険は複雑なので、専門家に相談すること自体はいい選択です。ただ、詐欺で懲りた身として、ひとつだけ気をつけていることがあります。
すすめられた特定の商品を、その場で契約しない。
相談窓口によっては、特定の保険会社の商品に誘導される場合があります。相談は相談として受けて、契約は一度持ち帰って、自分の言葉で説明できるようになってからにする。窓口で対面ですすめられてその場で契約——私がしくじったこの流れだけは、もう繰り返さないと決めています。
まとめ:今日やるのは「保険証券を1枚引っぱり出す」
- 保険は金額が大きいわりに見直されにくい。固定費ダイエットの効果は大きい
- 基準は「中身を自分の言葉で説明できるか」。できないものは立ち止まる
- 「保障」と「増やす」は混ぜない。分けると判断できる
- 正解は人によって違う。公的保障を土台に、足りない分だけ補う
今日やることを1つだけ決めるなら、保険証券を1枚引っぱり出して、「これは何に備えている保険か」を一言で書いてみる。書けなかったら、それが見直しの入り口です。